大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)1346 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

各弁護人の上告趣旨はいずれも末尾添附別紙記載の通りである。

被告人Aの弁護人三浦寅之助の上告趣意第一点について。

原判決によれば、被告人Aにかかる判示窃盗の事実は、第一審第二回公判調書記

載の同被告人の自白の供述とB提出の被害始末書中判示に照応する窃盗被害顛末の

記載とを綜合してこれを認定しているのであつて、所論の如く同被告人の自白のみ

によつて事実の認定をしているものではないから、この点の論旨は理由がない。な

お論旨中原判決の事実誤認を主張する部分は、上告適法の理由とならない。

同第二点について。

原判決が所論の被害始末書を証拠としたことについては、何等違法とすべき点は

ないから、論旨は理由がない。(所論の被害始末書は原審第一回公判において適法

の証拠調を経ている。)

被告人Cの弁護人須々木平次の上告趣意第一点について。

被告人Cにかかる原判決判示の賍物故買の事実は、原判決挙示の証拠を綜合して

これを認定することができるのであつて、所論の如く同被告人が買受物件の盗品た

る事情を知つていたという事実に対する証拠は同被告人の自白以外には見当らない

けれども、かかる犯罪事実の一部分に対する証拠が被告人の自白以外にないとして

も、これを以て被告人の自白のみによつて犯罪事実を認定した違法があるといい得

ないことは、当裁判所の屡々判例とするところである。(昭和二二年(れ)第一五

三号、同二三年六月九日大法廷判決、昭和二四年新(れ)第一八四号、同二五年二

月七日第三小法廷判決)論旨は理由がない。

同第二点について。

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原判決判示第三の事実においては、被告人Cが相被告人Aより買受けた硝峻アン

モニヤ十九俵が盗品たることの判示を欠いていること所論のとおりであるが、同判

決には判示第一の事実としてA被告人の硝酸アンモニヤ窃取の要実を判示してある

のであるから、判示第三の事実においては判示第一の事実を承けているものと解す

ることができる。従つてC被告人の買受物件が盗品であることは判文上自ら明かに

されているものというべきであるから所論の原判決の瑕疵はこれを違法とするに足

りない。論旨は理由がない。

よつて旧刑訴四四六条に従つて裁判官全員一致の意見を以て主文のとおり判決す

る。

検察官 石田富平関与

昭和二六年九月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

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